書籍「文化系のためのヒップホップ入門2 (いりぐちアルテス009)」

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ライムスター宇多丸さん、山下達郎さんも絶賛した「文化系のためのヒップホップ入門」の待望の続編が登場! 今回は「文化系のためのヒップホップ入門2 (いりぐちアルテス009)」について、基本情報から内容、評判、入手方法まで徹底的に紹介します。  

基本情報

項目情報
著者長谷川町蔵 / 大和田俊之
出版社アルテスパブリッシング
出版年2018年9月25日
ISBN978-4865591750
ページ数280ページ
価格1,980円(本体1,800円)
電子版価格¥1,650

内容紹介

本書では、2012年から2014年までのヒップホップシーンを、「文化系」の視点から解説しています。 この書籍のユニークな点は、ヒップホップの歴史全体を網羅するのではなく、この特定の3年間におけるシーンの進化に焦点を当てている点です。  

この時期は、ケンドリック・ラマーやチャンス・ザ・ラッパーといった新しい才能が登場し、ニッキー・ミナージュなどの女性ラッパーが活躍するなど、ヒップホップシーンに大きな変化が起こった時代でした。 また、ファレル・ウィリアムズの「ハッピー」の世界的な大ヒットに見られるように、ヒップホップがメインストリームの音楽シーンに与える影響がさらに強まった時期でもありました。 本書では、こうした時代の変化を、様々な角度から分析し、読者にわかりやすく伝えています。  

さらに、K-POPが世界的なムーブメントへと成長していく過程にも触れ、グローバルな音楽シーンにおけるヒップホップの位置付けを考察しています。  

目次

  • 第1部:ゼロ年代のヒップホップ
    • 文科系のためのヒップホップ入門 復習編
    • 2010年代のヒップホップ:新潮流と「あの頃」の残響
    • マシンガン・ケリーとエミネム
    • Odd Futureからタイラー・ザ・クリエイターへ
    • ドレイクとウィークエンド
    • サウスの隆盛と変容
    • ヒップホップとR&Bの境界線
    • ケンドリック・ラマー
    • 女性ラッパーの台頭
    • アジーリア・バンクスとイギー・アゼリア
    • ニッキー・ミナージュ
    • ヒップホップは「少年ジャンプ」である
    • ジェイ・Zとカニエ・ウェスト
    • 2012年のヒップホップ
    • フランク・オーシャン
    • マックルモア&ライアン・ルイス
    • チャンス・ザ・ラッパー
    • 2013年のヒップホップ
    • ディジー・ラスカル
    • YG
    • スクールボーイ・Q
    • ロジック
    • チャイルド Gambino
    • 2014年のヒップホップ
    • ラン・ザ・ジュエルズ
    • イギー・アゼリア
    • J・コール
    • リック・ロス
    • DJマスタード
    • ファレル・ウィリアムズ
    • 2014年的なるもの
  • 第2部:2012年のヒップホップ
    • 柳樂光隆さんを迎えて
    • ジャズとヒップホップ:ループ感覚の変遷
    • J・ディラと「どんより感」
    • YouTube以後のサンプリング
    • ヒップホップとジャズ、その未来
    • 2015年以降に向けて

概要

本書は、前作「文化系のためのヒップホップ入門」で扱われた時代より後のヒップホップシーンを、音楽ライターの長谷川町蔵さんと、アメリカ音楽研究で知られる慶應義塾大学准教授の大和田俊之さんの対談形式で解説しています。 お二人の軽妙なやりとりを通して、2012年から2014年までのヒップホップシーンを、当時の社会状況や文化的な背景と合わせて、深く理解することができます。 また、ゲストに『Jazz The New Chapter』の編著者・柳樂光隆さんを迎えた鼎談も収録されており、ジャズとヒップホップの相互作用について、歴史的な視点から考察を深めています。  

対象読者

  • ヒップホップに興味があるけれど、どこから聴いていいのかわからない方
  • 最新のヒップホップシーンについて知りたい方
  • ジャズとヒップホップの関係性について興味がある方
  • 文化的な視点からヒップホップを理解したい方

評判

本書は、ヒップホップファンのみならず、音楽評論家からも高い評価を得ています。 例えば、ある評論家は、「本書は、2010年代前半のヒップホップシーンを理解する上で必読の書である」と評しています。読書メーターでのレビューでは、「トラップ前夜2014年までの状況整理。この時期にブーンバップがバックラッシュ的に流行る流れがあったの知らなかった、おもしろい。」、「2013年前後のアメリカのヒップホップ界隈の解説と、ジャズとヒップホップの関係についての対談。ジャズは全く知らないので流し読み…。ケーポの話もチラッと。知ってるラッパーの名前が出始めたので曲を聞きながら読んだ。」などの声が寄せられています。  

1冊目との違い

前作「文化系のためのヒップホップ入門」では、ヒップホップの誕生から現在に至るまでの歴史全体を概観していました。 一方、本書では2012年から2014年までの特定の期間に焦点を当て、より深い分析を試みています。  

項目1冊目2冊目
内容ヒップホップの歴史全体2012年~2014年のヒップホップシーン
対象読者ヒップホップ初心者ある程度ヒップホップを知っている人
難易度易しいやや難しい

前作がヒップホップの入門書として、全体像を掴むのに役立つのに対し、本書は、特定の時代におけるシーンの動向や、アーティスト同士の関係性、社会的な背景などを深く理解したいという読者に向いています。

まとめ

「文化系のためのヒップホップ入門2」は、2012年から2014年までのヒップホップシーンを文化系の視点から解説した書籍です。 特定の時代・テーマに焦点を当てることで、単なる歴史の羅列ではなく、当時の音楽シーンを深く理解することができます。 ヒップホップ初心者の方には、まず前作「文化系のためのヒップホップ入門」を読んでから本書に進むことをおすすめしますが、ある程度の知識をお持ちの方であれば、本書から読み始めても十分に楽しめる内容となっています。  

本書は、ヒップホップという音楽ジャンルを通して、現代社会の文化や潮流を理解したいという方にとって、非常に貴重な情報源となるでしょう。