アンビエント、フォーク、ポストクラシカルを融合させた、映画音楽のような叙情的なサウンドスケープで、唯一無二の世界観を構築するシンガーソングライター、別野加奈。
2021年12月8日にリリースされた4thアルバム「death has light」は、彼女がこれまで探求してきた「生と死」というテーマをさらに深化させた、コンセプチュアルな作品となっています。
このアルバムは、「死の間際から直後までの73分間」を音楽で描写するという、大胆なコンセプトのもとに制作されました。
別野加奈自身の声とアコースティックギターを軸に、ピアノ、ストリングス、そして電子音が繊細に絡み合い、聴く者を死の淵へと誘う、深遠な音世界を描き出しています。
各楽曲は、死の過程における様々な情景、感情、そして思考を表現しており、まるで映画のワンシーンを見ているかのような、鮮烈なイメージを喚起させます。
例えば、「静寂、夜明けの海とオーケストラ」では、静寂な海辺で夜明けを迎える瞬間の、荘厳で美しい情景が目に浮かびます。
そこに重なるストリングスとピアノの音色は、生の儚さと美しさを、そして夜明けが新たな始まりの象徴であるように、死が新たなステージへの入り口であることを暗示しているかのようです。
別野加奈は、音楽活動と並行して、映像作家としても活動しています。
「death has light」では、各楽曲のイメージを具現化したミュージックビデオを制作し、音と映像の共感覚的な表現に挑戦しています。
MVでは、幻想的な風景、抽象的なイメージ、そして象徴的なモチーフなどが効果的に用いられ、楽曲の世界観をさらに深化させています。
例えば、「death has light」のMVでは、夜の森の中を彷徨う女性の姿が、死と再生の象徴として描かれています。
また、「light of death」のMVでは、光に包まれた空間を漂う粒子が、死後の世界や魂のイメージを想起させます。
これらの映像は、楽曲の持つ深層心理的な意味合いを視覚的に表現することで、聴き手の想像力を刺激し、より深い感情移入を促します。
- タイトル:「death has light」
- アーティスト:別野加奈
- リリース日:2021年12月8日
- レーベル:more records
- フォーマット:CD、デジタル配信
- death has light
- 静寂、夜明けの海とオーケストラ
- どうして生命は、こんな美しい夜にも涙を流すのだろう
- 死の光
- ブルーグレーの鱗
- light of death
- frozen morning
- memory on ice
- browswisch brau
- 冬の虹
- living sad
- browswisch brau (2018.01.23 demo recording version)
音楽家、映像作家。自身の架空の心象風景に基づく芸術活動を横断的に行なう。2013年、ファーストフルアルバム「もう、見たくないよ、と言いつつそっと硝子の中に閉じ込めた 展」をリリース。2015年12月、セカンドアルバム「海辺の花屋」リリース、自身初の長編監督作品「TRAPPED IN THE GLASS」を全国各地で上映。2016年9月にフルアルバム「forget me not」を、2021年12月には「death has light」をリリース。
別野加奈オフィシャルサイト