2022年11月10日、京都の老舗クラブ、CLUB METROにおいて、ロンドンを拠点とする日本人アーティスト、Anchorsongによる「RHYTHM」Japan Tour 2022 京都公演が開催された。
- イベント名:Anchorsong Japan Tour 2022 in KYOTO at CLUB METRO
- 開催日時:2022年11月10日
- 開催場所:CLUB METRO (京都)
Anchorsongは、ロンドンを拠点に国際的に活動する日本人音楽家、吉田雅昭のアーティスト名である。MPC(Music Production Center)を主軸とした音響構築と、ポスト・クラシカル、エレクトロニカ、アンビエントを融合させた独自の音楽性により、高い評価を獲得している。
Anchorsongの音楽的遍歴は、幼少期のクラシックピアノ学習に端を発する。音楽大学において作曲を専攻し、西洋音楽史、音楽理論、和声学、対位法等を体系的に習得。この経験は、その後の音楽活動における強固な基盤を形成したと言えるだろう。
大学在学中のバンド活動を通して、ロック、エレクトロニカ、アンビエント、テクノ等、多様な音楽ジャンルに触れる。特にDJ Shadow、Aphex Twin等の電子音楽家からの影響は顕著であり、その後の音楽的方向性を決定づける重要な契機となった。
バンド解散後、ソロ活動を開始。試行錯誤の末、MPC2000XLと出会う。サンプリング、シーケンス、エフェクト処理等、MPCの多岐にわたる機能性は、Anchorsongの音楽的探求心を刺激し、創作活動における中心的役割を担うに至る。
2007年、Anchorsongは活動拠点をロンドンに移す。世界中の音楽が集積するこの都市において、多様な文化、音楽、そしてアーティストとの交流を通して、音楽的視野を飛躍的に拡大。
2011年、名門レーベルTru Thoughtsと契約。ファーストアルバム『Chapters』をリリースし、高い評価を獲得。MPCを駆使したライブパフォーマンスは、その独創性と技術力の高さから注目を集め、国際的な音楽フェスティバルへの出演を果たす。
Anchorsongの音楽は、ポスト・クラシカル、エレクトロニカ、アンビエントを基調としつつも、ジャズ、ワールドミュージック、現代音楽等の要素を吸収した、ジャンル横断的な特徴を持つ。
MPCを駆使した音響構築は、サンプリング、ループ、シーケンス、エフェクト処理等を高度に統合することで、複雑かつ有機的な音響空間を創出する。また、音色合成、音響処理技術にも精通しており、繊細な音色から重厚なサウンドスケープまで、幅広い音響表現を可能にしている。
- Chapters (2011)
- The Lost & Found (2014)
- Ceremonial (2016)
- Cohesion (2018)
- Mirage (2020)
- Rounds (2012)
- Departure (2015)
- Roots (2019)