映画「最後の乗客」

2021年公開、堀江貴監督による自主映画『最後の乗客』。東日本大震災から10年という節目の年に製作された本作は、震災の傷跡が残る仙台を舞台に、深夜のタクシーに偶然乗り合わせた乗客たちの織りなす群像劇です。

夜の帳が下りた仙台の街を、一台のタクシーが走っています。運転するのは、震災で家族を失った遠藤(冨家ノリマサ)。彼は、乗客たちとの出会いをきっかけに、自身の過去と向き合い、新たな一歩を踏み出す勇気を得ていきます。

ある夜、遠藤のタクシーに、3人の乗客が次々と乗車します。

  • 美咲(岩田華怜):どこか謎めいた雰囲気の若い女性。
  • 由紀(長尾純子):幼い娘・彩花を連れたシングルマザー。
  • 彩花:由紀の娘。無邪気な中に、震災の記憶を垣間見せる。

3人の乗客は、それぞれ異なる事情を抱え、仙台の街を彷徨っています。遠藤は彼らとの会話を通して、それぞれの心の傷に触れ、そして、自分自身の心の傷も癒されていきます。

『最後の乗客』は、震災を直接的に描くのではなく、震災が人々の心に刻んだ傷跡、そして再生への道のりを、登場人物たちのドラマを通して静かに描き出しています。

映画『最後の乗客』は、震災の記憶と、そこから立ち上がろうとする人々の姿を、繊細なタッチで描いた感動作です。

作品情報

  • 製作年:2021年
  • 監督・脚本:堀江貴
  • 出演:岩田華怜、冨家ノリマサ、長尾純子、谷田真吾、畠山心、大日琳太郎
  • 上映時間:55分

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