2005年3月5日に公開された「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」。国民的人気アニメ「ONE PIECE」の劇場版第6作目であり、細田守監督の長編アニメーション映画初監督作品としても知られています。本作は、アニメーションの表現やストーリーのテーマにおいて、これまでの劇場版とは異なる、独特の雰囲気を持つ作品です。
作品の概要
「ONE PIECE THE MOVIE – オマツリ男爵と秘密の島」は、尾田栄一郎原作の漫画「ONE PIECE」を基にしたアニメーション映画です。 麦わらの一味が、楽園と謳われる「オマツリ島」で、オマツリ男爵の仕掛けた過酷な試練に挑む姿を描いています。 友情、信頼、そして自分自身との葛藤…。ハラハラドキドキの展開から目が離せません!
細田守監督は、この作品で長編アニメーション映画監督デビューを果たしました。 監督自身の経験から、「『ハウルの動く城』制作時のスタッフ召集の失敗と、その失敗によって絶望しているところへ新たな仲間が集まってきてくれた経験」を作品に投影しているとのことです。
あらすじ
大海原を航海中の麦わらの一味は、偶然手に入れた「オマツリ島」への永久指針と地図を発見! 「世界中の美女によるフルコースのおもてなし」という謳い文句に惹かれ、ルフィたちは喜んで島へと向かいます。
楽園の島…?
オマツリ島に到着した一行は、島の当主であるオマツリ男爵に歓迎されます。 男爵は、島に隠された宝を手に入れるためには、「地獄の試練」を乗り越えなければならないと告げます。 ルフィたちは、男爵の挑発にノリノリで試練に挑むことに!
地獄の試練!
試練の内容は、以下の通りです。
- 試練その1:巨大なイカとの戦い
- 試練その2:猛獣だらけのジャングルからの脱出
- 試練その3:落とし穴だらけの迷宮からの脱出
- 試練その4:炎の谷からの脱出
- 試練その5:巨大なゴリラとの戦い
仲間割れ…そして
試練はどれも過酷で、ルフィたちは次第に疲弊していきます。 さらに、試練を通して互いの弱点を突きつけられたことで、仲間割れを起こしてしまいます。 果たして、彼らは試練を乗り越え、島から脱出することができるのでしょうか?
登場人物
麦わらの一味
- モンキー・D・ルフィ:海賊王を目指す少年。 ゴムゴムの実の能力者で、どんな敵にも屈しない強い心を持つ。
- ロロノア・ゾロ:ルフィの最初の仲間。 三刀流の剣士で、クールな性格。
- ナミ:航海士。 金銭に目がないが、仲間思い。
- ウソップ:狙撃手。 嘘つきだが、いざという時は勇敢な一面を見せる。
- サンジ:コック。 女好きで、足技の達人。
- トニートニー・チョッパー:船医。 人獣型のトナカイで、心優しい性格。
- ニコ・ロビン:考古学者。 ハナハナの実の能力者で、クールな美女。
オリジナルキャラクター
- オマツリ男爵:オマツリ島の支配者。 不気味な雰囲気を漂わせる謎の人物。
- リリー・カーネーション:オマツリ男爵の娘。 美しい歌声を持つ。
- ムチゴロウ:オマツリ島の用心棒。 巨漢で、怪力の持ち主。
- ケロジイ:カエルのような姿をした島の住人。
- ケロショット:ケロジイの息子。
- ケロデーク:ケロジイの父親。
- ケロコ:ケロジイの娘。
- DJガッパ:オマツリ島のDJ。
- コテツ:海賊。 綾小路翔が特別出演。
スタッフ
原作 | 尾田栄一郎 |
監督 | 細田守 |
脚本 | 伊藤正宏 |
音楽 | 田中公平 |
キャラクターデザイン・作画監督 | すしお、久保田誓、山下高明 |
声優
キャラクター | 声優 |
---|---|
モンキー・D・ルフィ | 田中真弓 |
ロロノア・ゾロ | 中井和哉 |
ナミ | 岡村明美 |
ウソップ | 山口勝平 |
サンジ | 平田広明 |
トニートニー・チョッパー | 大谷育江 |
ニコ・ロビン | 山口由里子 |
オマツリ男爵 | 大塚明夫 |
リリー・カーネーション | 渡辺美佐 |
ムチゴロウ | 草尾毅 |
ケロジイ | 青野武 |
ケロショット | 佐藤正治 |
ケロデーク | 八奈見乗児 |
ケロコ | 山本圭子 |
DJガッパ | 池松壮亮 |
コテツ | 綾小路翔 |
公開日・上映時間
- 公開日:2005年3月5日
- 上映時間:91分
- 主題歌:「夢見る頃を過ぎても」氣志團
作品の評価・レビュー
「ONE PIECE THE MOVIE – オマツリ男爵と秘密の島」は、これまでの劇場版とは異なる作風で、賛否両論を巻き起こしました。 細田守監督らしい、繊細な心理描写や独特の世界観が評価される一方で、原作とは異なる雰囲気に戸惑うファンもいたようです。
細田監督は、この作品を制作する際に「ルパン三世 ルパンVS複製人間」を参考にしたと語っています。 その影響もあり、本作は他の「ONE PIECE」作品とは一線を画す、サスペンス要素の強い作品となっています。
近年では、大人になってから改めて観ると、その奥深さに気づかされるという声も多く、再評価の機運が高まっています。 例えば、映画レビューサイト「映画.com」では、「ワンピースらしからぬダークな展開」「トラウマになった」といった感想が寄せられています。 一方で、「細田守監督の才能が光る作品」「大人になってから観ると、また違った印象を受ける」といった肯定的な意見も見られます。
まとめ
「ONE PIECE THE MOVIE – オマツリ男爵と秘密の島」は、単なる冒険活劇ではなく、人間の心の奥底にある闇や弱さを描いた、深いテーマ性を持つ作品です。 麦わらの一味が、試練を通して成長していく姿は、観る者に勇気を与えてくれるでしょう。 また、細田守監督の長編アニメーション映画初監督作品として、その後の彼の作品に通じるテーマや作風を感じることができます。 「ONE PIECE」の新たな一面を見ることができる、挑戦的な作品と言えるでしょう。 まだご覧になっていない方は、ぜひこの機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。