2017年公開、岡田准一主演の映画「関ヶ原」。司馬遼太郎の不朽の名作を原作に、戦国時代最大の戦い「関ヶ原の戦い」を壮大なスケールで描いた歴史大作です。
これまで、石田三成は、徳川家康に敗れた”敗者”として描かれることが多く、その人物像は謎に包まれていました。 「太閤記」や「徳川家康」といった歴史小説、そして大河ドラマなど、多くの作品で、三成は家康のライバル、あるいは悪役として描かれてきました。 例えば、豊臣秀吉亡き後、天下を狙う家康に対し、三成は豊臣家を守るために戦いを挑みますが、家康の巧みな戦略の前に敗北を喫します。 この敗北により、三成は「嫉妬深く、狭量な人物」というネガティブなイメージが定着してしまいました。
しかし、本作では、三成を主人公に据え、彼の視点から「関ヶ原の戦い」を描いています。 原作である司馬遼太郎の「関ヶ原」は、三成の人間性に焦点を当て、彼の内面世界を深く掘り下げた作品です。 映画版でも、原作の魅力を最大限に引き出し、三成の知性、勇気、そして”義”を重んじる精神を鮮やかに描いています。
岡田准一が演じる三成は、従来のイメージを覆す、知性とカリスマ性を兼ね備えた武将として描かれています。
- 卓越した知略: 戦術家としての才能に長け、家康を追い詰める。
例えば、三成は、関ヶ原の戦いで、巧みな戦術を駆使して家康軍を翻弄します。
西軍の劣勢を覆すため、霧を利用した奇襲攻撃を仕掛けたり、敵陣に潜入して撹乱作戦を展開したりと、その知略は家康をも驚かせます。 - 揺るぎない”義”: 豊臣家への忠義を貫き、己の信念を曲げない。
三成は、秀吉への恩義を忘れず、豊臣家を守るために命を懸けて戦います。
権力や名声には一切興味を示さず、”義”を貫く姿は、まさに真の武士と言えるでしょう。 - 人間味あふれる姿: 家臣や愛する女性への思いやり、そして苦悩する姿も描かれる。
三成は、家臣たちを家族のように思い、彼らを命をかけて守ろうとします。
また、初芽という女性に密かに想いを寄せ、彼女との淡い恋模様も描かれます。
戦況が悪化する中、三成は、己の信念と現実の間で葛藤する姿も見せます。
天下取りの野望に燃える徳川家康を演じるのは、役所広司。
- 老獪な戦略家: 巧みな人心掌握術で、味方を増やしていく。
家康は、巧みな話術と人心掌握術で、多くの武将たちを味方につけ、天下統一への道を着実に進みます。
例えば、小早川秀秋を寝返らせるために、様々な工作活動を行います。 - 冷徹な現実主義者: 目的達成のためには手段を選ばない。
家康は、天下を取るためには、裏切りや策略も厭いません。
彼の冷徹なまでの現実主義が、三成との対比を際立たせています。
- 三成に密かに想いを寄せる忍びの女性。
- 三成に情報を提供したり、敵陣に潜入して彼を助けたりと、陰ながら活躍します。
- 二人の間には、身分違いの許されない恋が芽生えます。
- 三成の右腕として、彼を支える優秀な武将。
- 三成の”義”を理解し、忠実に従います。
- 戦場では、勇敢に戦い、三成を命をかけて守ります。
- 戦局を左右するキーマン。
- 当初は西軍に属していましたが、家康の策略により寝返ります。
- 彼の裏切りが、関ヶ原の戦いの勝敗を決定づけることになります。
- 壮大なスケールで描かれる合戦シーン: 関ヶ原の戦いを、最新VFX技術を駆使してリアルに再現。
騎馬武者が入り乱れる戦闘シーンは、迫力満点!
鉄砲や槍が飛び交う戦場の臨場感を、体感することができます。 - 史実を基にした重厚なストーリー: 三成と家康の駆け引き、そして戦いの裏側を描く。
単なる合戦シーンだけでなく、戦に至るまでの政治的な駆け引きや、登場人物たちの心理描写も丁寧に描かれています。
歴史の裏側で繰り広げられる人間ドラマも見どころです。 - 豪華キャスト陣の熱演: 実力派俳優たちが、個性豊かな武将たちを演じ切る。
岡田准一、役所広司をはじめ、有村架純、平岳大、東出昌大など、豪華キャスト陣が集結!
彼らの熱演が、物語に深みを与えています。
- 公開年:2017年
- 監督:原田眞人
原田眞人は、「クライマーズ・ハイ」や「駆込み女と駆出し男」など、骨太な作品で知られる監督です。 - 脚本:原田眞人
- 原作:司馬遼太郎「関ヶ原」
- 出演:岡田准一、役所広司、有村架純、平岳大、東出昌大 他
映画「関ヶ原」は、歴史好きはもちろん、人間ドラマとしても楽しめる作品です。
『関ヶ原』(せきがはら)は、2017年制作の日本映画。石田三成と徳川家康を主人公に、豊臣秀吉の死から天下分け目の関ヶ原の戦いに至るまでの過程を描いた司馬遼太郎原作の歴史小説『関ヶ原』の映画化作品。司馬遼太郎の小説の映画化は、1999年公開の『梟の城』以来18年振りとなる。
関ヶ原 (映画) – Wikipedia
監督・脚本は原田眞人、主な出演は岡田准一、役所広司、有村架純、平岳大、東出昌大、松山ケンイチらで、有村架純は時代劇初挑戦となる。